僕も20代は借金地獄の泥沼にハマっていました。
地獄の始まりは22歳のときにP社で借りた5万円。
バンドをやっていたので休みの都合がつく日払いの派遣バイトで生計を立てていたのですが、
家賃の支払いがどうにも足りなくなったので「1~2万だけでも借りられたら」と消費者金融に手を出してしまったんです。
すると「○○さんでしたら5万円ご融資しますよ」と言われ、そんなに必要ないと思いつつも断りきれずにそのまま5万円を借りてしまいました。
「やってしまった。とうとう消費者金融に手を出してしまった」
内心ビビりました。
今でしたら「5万円の借金なんてたいしたことない」と思いますが、22歳の当時は罪を犯してしまったような後悔を感じたことを憶えています。
でも、家賃が払えないかもと悩んでいた気持ちも一瞬で片付きましたし、まとまった現金を手にしたことで、借金をした不安はすぐにどこかに消えていったことも憶えています。
じわじわ膨らむ借金
まともな考えが出来る人なら、すぐに5万円を返済して借金をゼロにするのだと思います。
でも、僕にはその判断はありませんでした。
というか、もともと金遣いは荒いほうでしたので、P社で借りた5万円から家賃の不足分を払い、残りは生活費や娯楽費で数日のうちに使いきってしまったんです
そして、簡単に金を借りられることを知った僕は、その後も別の消費者金融やクレジットカードに手を出してしまいました。
不思議なことに2社目、3社目は最初とは違い軽い気持ちで借りられました。
すでに感覚が麻痺していたのかもしれませんし、元から常識的な判断が出来ない人間だったのかもしれません。
借金が20万を超えたことで、ちょっとだけヤバいなとは思いましたが「20万ぐらいならすぐに返せるだろう」とも思っていました。
1~2万の家賃の不足分さえ工面できないくせに何を言ってんだという感じですが、考えが本当に甘かったんですよね。
そして、借金地獄へ落ちるきっかけとなった出来事が起こりました。
50万の融資
消費者金融4社目のT社に借金を申し込んだときに「他社の借入額を一本化するために50万をご融資できますがいかがでしょうか」ともちかけらたんです。
50万
いきなり50万も貸してくれる。
50万もあれば他の会社に返済してもまだ20万以上残る。
迷わず申し込みました。
50万もの現金を手にしたことはなかったので、事務員の方が手続きを進めているのを横目で見ながら、宝くじに当選したような高揚感があったことをはっきりと覚えています。
50万が手に入る。
50万も手に入る!
心がざわつきました。
もちろん借金の限度額が50万増えただけなのですが、本物の馬鹿ですので50万の貯金が増えたような気持ちになってしまったんです。
消費者金融が入った雑居ビルのエレベーターを降りたときは、スキップしたいぐらいの気持ちになりましたからね。
今思うと、ここで他社の借金を1本化していれば、その後の人生は変わったのかもしれません。
でも、その50万を他社の返済に回すことは1円もありませんでした。
というか、50万融資されたその日にパチンコで3万ぐらい使ってしまいましたからね。
馬鹿です。正真正銘の馬鹿です。
さすがに「ちょっとやっちゃったな」とは思いましたが「まだ47万もあるし、これからは無駄遣いしないようにしよう」とウキウキしながら心に誓いました。
でも、そんなゆるい決心はすぐにどこかにいってしまいます。
生活費が足りなくなれば1万引き出し、家賃が払えなければ3万引き出し、パチンコで負けたら2万引き出しとやっているうちに
ほんの数か月で50万すべて借り切ってしまったんです。
今、ここまで書いてみて、当時の焦りを思い出し、自分の馬鹿さ加減に吐きそうになっていますが続けます。
気が付いたら借金が70万以上に膨れ上がっていました。当然、毎月の返済額も上がりましたので焦りました。
返済額が膨らんだことで、毎月の支払いはさらにきつくなりましたからね。
返済する金が足りない・・・。
で、どうしたかというと、すでに借りている会社に限度額アップの申し込みです。さらにまだ借りてない消費者金融にも申し込みました。
とりあえず月末の返済日だけを乗り越えることしか頭にありませんでしたので、ほかにもクレジットカードを作ってキャッシングをしまくっていたら、すぐに借金は100万を超えました。
100万の大台を超えたときは「これはヤバいかも」とさすがに思いました。
でも、借金地獄の泥沼にハマってきていることには、まだ気づけなかったんです・・・
増え続ける借金と焦り
返済をするために他の消費者金融で借りる
家賃が足りないから借りる
友達と遊びに行くために借りる
懲りずにそんなことを繰り返していたら、気が付いたときには200万以上の借金になっていました。
毎月の返済は遅れないようにはしていましたが、返済しても直ぐに引き出せる分だけ引き出すことをひたすら繰り返していたので借金は1円も減ることはありません。
でも、そんな自転車操業のようなことにも限界がきました。
まだ借りていない消費者金融に申し込みを繰り返していましたが、他社の借り入れ額が多すぎるためか何社も断られるようになってしまったのです。
ヤバい。
マジでヤバいのかもしれない。
ざっと計算しただけでしたが、利息だけで4万ぐらいになっていました・・・
返済が遅れて催促の手紙が山のように
風呂無しのアパートで食費をおさえるために食パンだけで腹を満たす日々。
ちょっと金が入ると一発逆転狙いでパチンコに行き、数百円を財布に残してボロ負けの繰り返し。
「もう二度とパチンコはやらない」という誓いは何百回したかわかりません。
友人からの飲みの誘いも金がないからと断っているうちに、だんだん疎遠になってきました。
そんな暮らしを5年ぐらい続けていたからなのか、すべてがイヤになりバイトを休みがちになってしまいました。
当然、支払いは遅れるようになり、消費者金融やクレジットカード会社から毎日のように電話での催促が何度もかかってきました。
バイト先にもかかってきたようで「とりあえず連絡だけはしておけよ」と怒られ落ち込みました。
郵便ポストには山のように届く催促の手紙。
国民健康保険や住民税なども払っていませんでしたので督促状が何通も混ざっていましたが、中身をまったく見ることなく部屋の片隅にぶん投げるだけでした。
家賃も遅れるようになり、不動産屋からは「これ以上遅れるようなら出て行ってくれ」と言われ、情けなさすぎて自分のだらしなさが本当にいやになりました。
もっと稼げる仕事はないかなと求人サイトを眺めては「いつか見返してやる」「明日から頑張る」と決心して寝る。
そして夕方頃に起きて「明日からは本当に頑張ろう」と決心して何もしないまま寝るの繰り返し。
まさに底辺のどうしようもない日々が続きました・・・
消えてなくなりたいと思うようになりました
このままではどうにもならないのはわかっていましたので「とりあえず利息だけでも払わないと」と深夜のコンビニでかけもちのバイトをすることにしました。
利息だけを払っても借金は減らないのは当然なのですが、その当時は頭が回らないというか、借金の現実を直視したくないのでその場しのぎの対応しかできなくなっていたような気がします。
でも、睡眠時間を削って働いた1ヶ月のバイト代では利息をやっと払えるぐらい。
コンビニで売れ残ったサンドイッチや弁当で食いつなげるようになったのは良いですが、生活は一向に改善しませんでした。
返済がなかったら、もっと良い部屋を借りれるのに
借金なんてなかったら、もっと楽しいことがあったはずなのに
こんなに辛い思いをしているのに利息分しか払えていないなんて
「なんのために生きているのかわからない・・・」
20代前半のころはイケイケで軽く考えられましたが、30歳近くになったことで「俺の人生はどうなるんだろう」と不安になってきたのかもしれません。
具体的に自殺までは考えませんでしたが「消えてなくなりたい」「リセットボタンがあるのなら今すぐ押したい」とそんなことばかり考えていました。
1時間に1度は借金のことを考えるようになっていましたし、バイトをしても返済に消えるだけの生活に本当に疲れてしまったんですよね。
街中ですれ違う人達の笑顔を見ていると「なんでこんなことになってんだろう」とみじめな気持ちになりました。
パチンコで大負けした日の帰り道、元カノと偶然会ったときに「なんか死にそうな顔で歩いてたよ」と笑われたときは「俺、終わってんな」と情けなくなりましたね。
まだ大丈夫。いつか何とかなるさと誤魔化してきましたが、自分がニュースなどで話題になっていた多重債務者になっているとやっと実感しました。
その現実はかなり重く、借金を思い出すたびに憂鬱な気持ちになりました・・・
コンビニのバイト先の先輩からの助言
どんなきっかけだったのかは忘れましたが、コンビニバイトの休憩時間になんとなく借金の話をバイトの先輩にしてみました。
「いくらあるんだ」と聞かれたので「200万ぐらいですかね」とすこし少なめに伝えると
「何社から借りてるんだ」「利息は把握してるのか」など色々と聞かれましたので、わかっている範囲でなんとなく答えました。
ただ、どこの利息がいくらかなんて全く気にしていなかったんですよね。
すると先輩はコンビニの事務所の机に座り、電卓を叩きながら「200万の借金があるということは利息は4万ぐらいか」
「おまえは毎月いくら返済してるんだ」とも聞かれたので
「いや、いつも利息分ぐらいしか返済できてないですね。」と伝えると
「ということは、時給1,000円だと毎月40時間分は利息のために働いていることになるな」と言われました。
1日に5時間のコンビニバイトだから8日は利息だけのために働いているのか・・・
考えただけで頭が痛くなりそうでしたが、先輩の話は続きました。
「1ヶ月で40時間、年間だと480時間だから」とブツブツ言いながら計算機を叩き
「おまえは1年のうち20日は利息のためだけに生きてることになるんだな」
と言われ愕然としました。
毎月、何とかその場しのぎでやり過ごしてきましたが、このままでは借金の利息だけで人生が削られていくとはっきり自覚したんです。
そして、利息だけを払い続けている限り、これはずっと続くことになる・・・
「おまえはマジで真剣に考えたほうが良いよ。
どうにも無理そうだったら債務整理を調べてみな。」
話を聞くと、先輩の弟さんも多重債務をかかえていたらしく、今は債務整理をして返済しているとのことでした。
借金のリアルな数字と向き合ってみて
家に帰ってから、山のように溜まっていた消費者金融からの手紙を開けて借金の総額と金利を計算してみました。
22歳のときに借金をしてから7年、初めての経験です。
消費者金融からの手紙を1枚1枚めくるごとに、積み重なる数字に押しつぶされそうな感覚になりました
借金の総額は225万。
毎月の給料と出費を計算してみると、借金を減らしていくのはかなり厳しい数字に思えました。
パチンコをやめれば毎月利息のほかに2万ぐらいは返せるかもと前向きに考えられなくもないですが、何年かかるかわからないし、毎月そんなに返せるかも怪しいです。
というか、今まで出来ていないのだから甘く考えないで出来ないと考えるべきかも・・・
バイトの先輩が話していた債務整理についてネットで調べてみることにしました。
債務整理という言葉は知っていましたが「ギャンブルで作った借金だと自己破産はできない」と聞いたことがありましたし、裁判などはしたくないので自分には無理だと思っていたんです。
どうせ無理だろうなと思いながらも債務整理の説明をくわしく読んでみると、やはりギャンブルで作った借金なので自己破産は難しいようでした。
でも、任意整理というやつなら利息を減らせる可能性が高いようで少し希望がもてました。
ただ、法律事務所や司法書士なんて関わったことがありませんでしたので「自分みたいな人間を相手にしてくれるのだろうか」と不安になりました。
それに、ギャンブルや浪費で200万以上の借金を抱えていることを話すのが恥ずかしいという気持ちもありました。
こんな状況なのにプライドだけは無駄に高かったんですよね・・・
でも、問い合わせをするだけなら無料のようでしたし、先輩の話を聞いて「このままでは何も変えられない」という気持ちが高まっていましたので、
ネットでの評判が良かった司法書士事務所に勢いで問い合わせをしてみたんです。
任意整理を申し込みました
後日、電話で話をした司法書士事務所の人は思いのほか優しい対応でした。
「今まで辛かったですよね。でも、ここから立て直せるように頑張りましょう」と言われたときは、上っ面だけで言っているんだろうとは思いつつも泣きそうになりました。
そして正式に任意整理を申し込み、司法書士の方の言われるままに書類を用意をして、結果が出たのは申し込みをしてから2ヶ月後ぐらい。
借金額は変わりませんでしたが、利息はほとんどなくなるとのことでホッとしました。
自分でも不思議なのですが、借金の額は変わらなくても「あとは返していくだけで借金は減っていく」ということで精神的にとても楽になれたんですよね。
全額返済に向けて
全額返済へ向けて本気で心を入れ替えました。
毎月の返済額は今までとそんなに変わりませんので、生活が楽になったなんてことはありません。
「5年は長いよな・・・」と心が折れそうになるときも正直いうと何度もありました。
でも、毎月返済するたびに確実に借金が減っているという現実が、あのときの自分には本当に励みになったんです。
ただ借金を返しているだけでしたが
「今年はもう24万円も減らせた」
「残りはあと〇〇万だ」
と返済履歴を見ながら、心が折れないように自分のやる気をなんとか上げていました。
最後の1年は「あと〇回、あと〇回で借金がゼロになる!」とラストスパートをかけるような気持ちだったことを今でもはっきりと覚えています。
そして最後の返済を振り込んだときは「終わった。これでもう借金はゼロだ・・・」と生まれ変われたような気持ちになれました。
借金で苦しんでいるあなたへ
多額の借金を抱えた現実と向き合うのは本当に辛いと思います。
何年も地獄のような日々を送ってきましたので、借金の辛さ、借金から逃げたくなる気持ちは思い出すだけで心が痛むほどわかります。
でも、借金があるのは現実ですので、見ないようにしていても元本を減らさない限り永遠に減らないことも現実なんです。
■実際に借金がいくらあるのか
■1年で利息はどれくらいになるのか
■現在の収入と出費を出来る限り詳しく計算してみて、利息以上にどれくらい返済できるのか
まずはこの3つを計算してみてください。
そして、その返済額だと全額返金するのに何年かかるのか
ここまでを頑張って計算してみてください。
何度も書いてしまいますが、現実を直視する作業は気がのらないし辛いと思います。
でも、計算をして現実を直視することが、借金全額返済の第一歩に間違いなくなるはずです。
あのとき、この計算をせずに借金の現実から逃げ続けていたら、僕の人生はもっと悲惨なことになっていたはずですからね。
計算してみたときに返済が難しいようでしたら、債務整理をするという選択もありだと思います。
僕と同じように利息だけを払い続けている状況が何年も続いているのだとしたら、債務整理をするべきかもしれません。
任意整理でしたら、利息を減らして3年から5年で完済するという計画を立てることができます。
「5年も払い続けるのか」と思われたかもしれませんが、
今動かないと5年どころか、僕のように10年近くも利息だけを払い続けて、終わりの見えない地獄の中、人生を無駄にすり減らすことになってしまいますからね。
全額返済するまでは数年はかかります。
借金がチャラになるわけではありません。これは仕方ないです。
でも「このまま返済すればあと〇回で終わる」と先が見えているのと
「いつ終わるかわからない」とただ利息を払い続けるのとでは気持ちが全然違います。
先が見えてくればリアルな希望が持るようになります。
いつかなんとかなるかもという根拠のない期待とはまったく違います。
「闇金ウシジマくん」に心に強く刺さった台詞がありました。
目の前の現実から逃げれば、
逃げた分だけ居心地の悪い所に落ちていく
問題に向き合う勇気
その面倒を乗り越えられれば
少しずつ問題は解決していく
この言葉を借金地獄に苦しんでいた当時の自分に強く言いたいです。
問題から現実逃避を繰り返して、先延ばしばかりしていた人生でしたので。
まずはコツコツになってしまいますが、コツコツでも続けていれば確実にゴールに近づけます。
そして借金の苦しみが少しずつですが和らぎます。これは絶対に間違いないです。
僕がお世話になった司法書士事務所を書いておきますので、まずは相談だけでもしてみてください。相談は無料ですので、どんな選択肢があるのかを専門家の方に聞いてみるだけでもプラスになると思います。
費用は分割で対応してくれましたので、今は所持金の心配はしなくても大丈夫です。
ただ、明日から行動しようと思われたかもしれませんが、今すぐ動くべきです。
僕もそうだったのでわかるんです。「明日から」と先延ばしにする癖をやめないとずるずるいってしまいます。
先延ばしにすれば、それだけ利息は膨らみますし、何よりもあなたの人生を立て直す時間がそれだけ削られてしまうことになりますからね。
ひとつでもちょっとでも動いてきっかけさえ掴んでしまえば、そこから少しずつでも状況は変わるものです。
なにを偉そうに言っているんだと思われたかもしれませんが、僕も思っています。でも、これは当時の自分に言っているつもりで書いています。
そして、当日の僕と同じような状況で苦しんでいるあなたの借金の苦しみを終わらせるきっかけになればという気持ちで書いています。
まずは目の前の問題から逃げずに向き合って、解決するための行動をする。
すぐには変わりませんが、こつこつ頑張れば状況はかならず良くなっていきます。
ありがちなことに聞こえてしまうかもしれませんが、実際に借金地獄から抜け出してみたからこそわかったんです。こつこつやるしか方法はないんです。
具体的な返済計画さえ決まってしまえば、僕のような人間でも完済できたのですから、あなたでも大丈夫です。
だからこそ少しだけ勇気を出して問題解決に向けて行動あるのみです。
頑張ってください。
僕がお世話になった司法書士事務所はこちらです。
なにもわからない状態で相談したのですが、親身になって話を聞いてくれました。
無料で相談できますので、ひとりで抱え込まずに専門の方にまずは何でも相談して、具体的な解決方法を聞いてみることをおすすめします。
今は辛いと思います。でも、こつこつやれば絶対に絶対に大丈夫です。頑張ってください。